和歌山県が新たに策定した産業技術基本計画の全貌とは
本県において、経済の活性化を目指し、新産業の振興を図るために「第三次和歌山県産業技術基本計画」が策定されました。これは和歌山県が定めた新技術創出推進条例に基づいて行われたものであり、過去に策定した計画を基にして、さらなる進展を図るものです。
1. これまでの取り組みと背景
和歌山県では、2010年に初回の産業技術基本計画を策定し、2015年には第二次基本計画が策定されました。これらの計画に沿って新技術の創出に関する施策を総合的に推進してきました。しかし、新型コロナウイルスの影響やデジタル技術の急速な進化により、なぜ今、第三次計画が必要とされるのか、その背景が注目されています。
2020年度から2024年度までの5年間を計画期間とし、Society5.0の流れに対応するため、AI、IoT、5Gなどの先進的なデジタル技術を活用した取り組みを強化することが明記されています。
2. 基本的視点
新たな計画の基本的視点として、労働生産性の向上による企業体力の強化が挙げられます。これにより、和歌山独自の自然環境との共生、さらには省資源化・低炭素化を推進しつつ、デジタル技術をフル活用した「最先端県」としての地位を確立することを目指しています。
3. 主な取り組みの内容
新しい計画には、以下の主な取り組みが盛り込まれています:
1.
研究開発の支援
先駆的産業技術の研究開発を支援することで、新技術の開発を促進します。県工業技術センターとも連携し、コア技術の開発を進めます。
2.
創業の促進
スタートアップ支援チームを通じて新たな企業の創業を後押しし、地域の課題解決を目指す事業を育てていきます。
3.
労働生産性の向上
IoT機器やロボットの導入を推進し、人手不足に迅速に対応します。
4.
産学官連携
研究開発を高度化させ、イノベーションを創出するために県工業技術センターを中心にさまざまな機関と連携します。
5.
人材育成
ICT教育プログラムを通じて、次世代の人材を育成し、県内企業への定着を促進します。
4. 重点分野とその戦略
今後、和歌山県の経済成長を支えるために、以下の8つの戦略的分野が重点的に推進されます:
- - ロボット技術
- - 化学分野
- - 医療・福祉
- - バイオ・食品
- - エネルギー・環境
- - IT・ソフトウェア
- - 農業・林業・水産業
- - 航空・宇宙分野
これらの分野では、それぞれ特有の課題に対して新たな技術や知見を活用し、継続的に成長し続けることが期待されます。
5. 結論
新たに策定された第三次和歌山県産業技術基本計画は、地域の経済の未来を変える大きなステップです。この計画を通じて、和歌山県が新たな産業を創出し、地域の特性を活かした持続可能な成長を実現していくことが期待されています。未来の社会に対応するための取り組みに、ぜひ注目していきたいものです。