持続可能な水資源管理を目指す
近年、世界中で水資源に関する問題が深刻化しています。日本でも、水道料金の高騰や水インフラの老朽化、水源涵養林の荒廃といった課題が顕在化しつつあります。そんな中、企業が協力してこれらの問題に取り組むため、Alliance for Water Stewardship(AWS)と5社が共同で「ジャパン・ウォータースチュワードシップ(JWS)」を立ち上げました。
JWSの始動背景
JWSは、企業が業界を越えて協力し、責任ある水資源管理を推進することを目的としています。これにより、流域の水資源保全を進め、国内外での水リスクへの対応力を高めていく意向です。特にスコットランドに本部を持つAWSとの連携が強調されており、研修プログラムや企業間ネットワーキングなどの活動が計画されています。
JWSの活動内容
JWSでは、日本国内の企業に対して以下のようなプログラムを提供する予定です。
1.
日本語プログラムの提供: 研修やワークショップを通じて、水資源管理の重要性を広めます。
2.
企業間ネットワーキング: 企業同士のつながりを強化し、情報交換を促進します。
3.
協働プロジェクト: 流域やサプライチェーンにおける共同の取り組みを促進します。
4.
行政との連携: 行政機関とも協力し、効果的な政策形成を目指します。
このような取り組みを通じて、2030年までに日本がグローバルな水資源保全における先進国となることを目指しています。
参加企業の役割
JWSの主要なメンバー企業には、MS&ADインシュアランスグループ、栗田工業、サントリー、日本コカ・コーラ、八千代エンジニヤリングが含まれています。これらの企業は、それぞれの専門性を活かして水資源に関する様々な活動を展開しており、協力して水問題の解決を図っています。
企業の取り組み
- - MS&ADインシュアランスグループ : 自然資本を基にした防災・減災の取り組みを推進しており、地域の大学や金融機関と連携し球磨川流域の流域治水を強化しています。
- - 栗田工業: 北米やブラジル、インドネシアなどの地域における水資源管理のためのプロジェクトに参加し、AWSに参画しています。
- - サントリー: 日本国内初のAWS認証を取得し、流域の水管理を進めるとともに、他の企業への浸透も促進しています。
- - 日本コカ・コーラ: グローバルな流域管理に取り組み、多様なステークホルダーと協力して日本国内における活動も強化しています。
- - 八千代エンジニヤリング: 水資源の調査解析や政策立案に関与しており、AWS導入支援を通じて流域の健全性を高める活動を行っています。
JWSの未来
AWSの最高経営責任者、エイドリアン・シム氏は、「日本には、ウォータースチュワードシップに対する関心が高い企業が多く存在します。しかし、増大する水リスクに備え、迅速な行動が求められています。」と述べ、JWSの活動が水資源の未来を切り開く助けになることを強調しました。
このように、企業の持続可能な水利用を進めるためのサポートがますます重要になってきています。JWSの動きは、日本においても水資源の保全や持続可能な管理に向けた新たな時代の到来を示しています。