和歌山県の未来を見据えた令和7年度予算の概要と課題

和歌山県の令和7年度予算の全貌

和歌山県知事が発表した令和7年度予算は、厳しい財政状況を背景にしつつも、県民一人ひとりの幸せを追求するための重要な施策が盛り込まれています。県のミッションは、県民と寄り添い、笑顔を作ること。これを実現するため、知事は夢と希望をもった予算を決定しました。

県民支援に向けた具体的施策

新年度の予算では、特に子育て支援に力を入れています。昨年10月に導入された給食費の無償化は、今年度も継続されます。また、地域のコミュニティを支える「こども食堂」の数は、過去2年間で倍増。今後もさらに数を増やすことが期待されています。これにより、地域の子どもたちが安心して過ごせる環境が整えられています。

環境に優しい成長産業へのシフト

また、和歌山県は脱炭素社会の実現を目指し、宇宙産業の推進や太陽光発電、洋上風力発電に取り組むことで、成長産業の創出を図ります。農業や漁業の後継者育成、森林クレジットの創出や林道整備など、農林水産業に対する支援も強化されます。特に、熊野白浜リゾート空港の利用促進を通じて観光業の活性化が進むことが期待されています。

防災減災に向けた取り組み

さらには、被災現場で活用できるスターリンクの配備を始めとした防災減災対策も講じられています。地域の賑わいを生み出すまちづくりや二地域居住の推進にも力を入れ、関係人口の拡大を図る取り組みが進められています。

財政の厳しさとその対応

一方で、物価や金利の上昇に伴い、人件費や公債費が増加したため、累積赤字が74億円に達しました。これに対処するため、県の財政運営に使われる基金を取り崩す必要が出てきました。そのため、2025年度末には基金残高が130億円程度になる見込みで、さらにその先には底をつくリスクが懸念されています。

知事は、「財政危機警報」を発出した時よりも状況が悪化しているとの認識のもと、持続可能な財政運営に向けた取り組みを強化していく必要性を訴えています。