和歌山市の「情報提供シート」の概要
和歌山市では、在宅医療や介護関連施設における情報共有をスムーズにするために、「情報提供シート」という新たな取り組みを導入しています。このシートは、地域包括支援課、和歌山市医師会在宅医療センター、及び在宅医療・介護連携推進センターと連携して開発され、救急活動の際における情報のやり取りを円滑にします。
「情報提供シート」とは?
「情報提供シート」は、利用者やその家族の意思を医療現場に伝えるために作成された統一様式です。昨今、在宅医療が普及する中で、急変時に必要な情報を迅速に共有することが求められています。そのような中、介護施設や在宅医療の関係者と救急隊が話し合った結果、情報の共有が最大の課題であることが浮き彫りになりました。これを受けて、救急隊や搬送先の医療機関が必要とする情報をまとめたシートが開発されました。
シートの重要性と利用法
「情報提供シート」には、急変時に利用者が希望する処置や治療内容を記載する欄があり、これにより医療従事者は患者の意思を理解することができます。急変時は大変な状況ですが、あらかじめ希望を明確にしておくことで、自分らしさを尊重した医療を受けることが可能になります。また、事前に「人生会議」を開いた上で作成されるため、家族やかかりつけ医とのコミュニケーションも円滑に進むのです。
情報シートの活用実例
「情報提供シート」の活用方法は主に2つのパターンに分かれます。
1.
パターン1では、在宅医療や介護関係者が中心になり、利用者の同意を得て「情報提供シート」を作成します。急変が発生した際、救急隊にこのシートを渡すことで、迅速かつ適切な医療を受けることが可能になります。
2.
パターン2では、急変時にシートが確認された結果、心肺蘇生の処置が不要と判断され、かかりつけ医に連絡を取ることで、スムーズに看取りが行われるケースもあります。
活用のためのポイント
ただし、「情報提供シート」を作成しただけでは実際の場面で役立たないこともあります。そのため、以下のポイントを押さえる必要があります。
- - 原本を見やすい場所に保管し、コピーを利用者の部屋に置いておく。
- - どの時間帯でも誰でもわかるように保管場所を部屋の入口や壁に示す。
- - 定期的に情報を更新し、再作成の必要がある場合にも対応する。
今後の展望
和歌山市の「情報提供シート」は、ただの医療情報伝達ツールではなく、地域の人々が自分らしく生きるための一助となるものです。今後も市民との連携を強化し、医療の現場が円滑に機能するよう努めていきます。地域住民の健康と福祉を守るために、この取り組みの重要性を多くの人に知ってもらいたいと考えています。最後に、「情報提供シート」が人生会議の一助となり、健康で幸せな生活を送るための確かなサポートになることを目指しています。