竹で育む海の命
2025-02-28 11:26:19

パンダの余す竹が海の命を育む!白浜での取り組み

パンダの余す竹が海の命を育む!白浜での取り組み



和歌山県白浜町に位置するアドベンチャーワールドでは、2022年より「パンダバンブープロジェクト」を進行中。このプロジェクトは、ジャイアントパンダが食べ残した竹を利用して、アオリイカの産卵床を作り出すことで、沿岸生態系の回復を目指しています。近年、海水温の上昇や海藻の減少が生態系に影響を与える中で、竹を活用する試みは新たな希望となっています。

プロジェクトの背景と目的



白浜の海では、藻類を摂取する生物の増加により、アオリイカの産卵に最適な海藻が減少しています。また、里山では放置竹林が拡大しており、適切な管理が求められています。このような状況に対処するため、アドベンチャーワールドでは、パンダが食べない部分の竹を有効に活用する方法を模索してきました。

プロジェクトでは、食べ残した竹を束にして海底に設置し、アオリイカの産卵環境を確保することを目的としています。この取り組みは、単なる環境保護にとどまらず、地域とのつながりを深めることも重要視されています。

2024年度の活動内容



2024年の活動では、白浜町日置川エリアにある「伊古木漁港」に、合計64基の竹製産卵床を設置します。設置は6月26日から11月9日まで行われ、定期的に潜水調査やサンプリングを実施します。また、地元の中学生が参加する環境学習プログラムも併せて進められ、海洋環境への理解を深める機会が提供されます。

さらに、京都大学白浜水族館での展示活動も行い、孵化した稚イカを観察し、一般市民に向けてその過程を公開します。このようなプロジェクトを通じて、生物多様性の向上が期待されています。

これまでの成果



プロジェクトの始まり以降、設置された64基の産卵床の多くにアオリイカの産卵が確認されました。京都大学白浜水族館での展示では、合計2641匹の稚イカが孵化し、再び海に放流されました。この成功は、竹を利用した環境保全の可能性を示す重要なデータとなります。

また、竹に付着した海藻や小型の動物たちが確認され、沿岸生態系における回復の兆しが見えてきました。このような成果は、竹が単なる産卵床としてだけでなく、生態系の基盤となることを示しており、持続可能な資源の活用に繋がっています。

今後の展望



アオリイカの産卵が確認されたことで、海藻の減少を抑える新たな糸口が見出されるかもしれません。さらに、竹が海中で分解される過程で、周囲の生物たちがその栄養を取り込む様子も観察されています。今後は、地域住民や漁業関係者との連携を強め、里山と里海をつなぐ新たな環境保全モデルの確立を目指します。

まとめ



パンダバンブープロジェクトは、和歌山の自然環境の保全と地域との結びつきを深める重要な取り組みです。今後もこのプロジェクトを通じて、生態系の復元と持続可能な社会の実現に向けた努力が続けられていくでしょう。


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