紀陽銀行は、地域経済を支える重要な役割を果たしており、最近ではAIナレッジ検索システム「Helpfeel」を導入することで、その業務の効率化に取り組んでいます。この取り組みにより、年間約4400時間という大変な時間の削減を実現し、DX(デジタルトランスフォーメーション)の先駆けとなっています。本記事では、その背景や導入プロセス、今後の展望について詳しく紹介します。
導入の背景
紀陽銀行は和歌山県と大阪府を中心に展開しており、地域のニーズに応じた金融サービスを提供しています。近年、人口減少や地域課題が深刻化する中、テクノロジーを駆使してこれらの課題に取り組む必要がありました。そのため、全行横断的にデジタル施策を実行するため「DX戦略部」を設立しました。
調査の結果、営業店から本部への照会業務に数千時間も費やされていることがわかりました。その原因は、業務ノウハウが特定の経験豊富な行員に集中し、情報の閲覧が難しいことが挙げられます。それに対処するために、Helpfeelの導入が決定されました。
導入の決め手
紀陽銀行がHelpfeelを採用したのは、誤った情報(ハルシネーション)のリスクを排除できるデザインに魅力を感じたからです。金融業務では、誤回答が重大な問題に発展します。そのため、AIが利用者の意図を的確に汲み取る検索システム「Helpfeel」は、利用のしやすさとともに、導入の大きな理由となりました。
導入プロセスと成果
導入の第一歩として、行内に散在していた約2000件の関連マニュアルを集約しました。この段階では、暗黙知が明文化されていないという課題もありましたが、試行を通じて徐々にノウハウを共有するプロセスが構築されました。
HelpfeelはWeb検索のような直感的な操作性を持っており、その特徴を最大限に活かす形で運用がスタートしました。特別な教育を行わなくても自然に利用が広がり、導入からわずか10か月で問い合わせ削減率11%を達成したのです。これは、年間に換算すると約4400時間の業務効率化に繋がりました。
今後の展望
紀陽銀行はこの成功を元に、さらに多くの付加価値の高い業務にリソースを振り向けていく予定です。具体的には、相続や資産運用など、より複雑な問題に対しての対面サービスを充実させる方向で進めています。また、Helpfeelが提供するチケット管理システムの導入により、行内からの問い合わせデータを更に一元化し、分析の体制も整える予定です。これにより「データに基づく運用体制」を確立し、疑問を一つも取りこぼさない仕組みを構築することが目標とされています。
紀陽銀行の森田部長は、「ベテランの暗黙知を組織の共通知識として明文化することが、Helpfeel導入の本質的な意義です」と語っています。また、古野担当は、「誰でも簡単に使えるHelpfeelは、全行のAIリテラシーを向上させる重要なツールです」とコメントしています。
このように、紀陽銀行のAI化は非常に進展しており、今後の展開が期待されます。地域金融機関としての役割を果たしながら、デジタル化を進めていく紀陽銀行に、大いに注目が集まります。