パンダと海の未来
2025-06-17 16:40:25

海とパンダを繋ぐ「パンダバンブープロジェクト」の新たな取り組み

パンダの竹が海を育むプロジェクト



和歌山県白浜町にあるアドベンチャーワールドでは、今年も「パンダバンブープロジェクト」が始動します。この取り組みは、ジャイアントパンダが食べ残した竹を活用し、アオリイカの産卵床を海に設置するものです。本プロジェクトは4年目を迎え、ますますその重要性が増しています。

パンダの食材がアオリイカの未来を支える


プロジェクトは、パンダが残した竹(主に孟宗竹や矢竹)を束ね、海底に沈めてアオリイカの産卵床として利用します。今年は、6月18日(水)に白浜町の日置川エリア、伊古木漁港に30基、そして7月3日(木)には岸和田市の漁港に初めて30基を設置する予定です。

日本の海におけるアオリイカの生産を維持し、海の生態系を守るためにこのプロジェクトは不可欠です。さらに、新たな試みとして導入される「環境DNA調査」は、海中の生き物のDNAを解析することで、生物の存在や変化を科学的に把握することを目指します。この調査により、設置前後での生態系の変化が実際にどのように進んでいるかを確認することができるのです。

地域社会と環境のための取り組み


「パンダバンブープロジェクト」は、単なる環境保全だけでなく、地域社会との連携を大切にしています。今年は、6月28日(土)に4頭のジャイアントパンダが中国に帰国しますが、プロジェクト自体は継続されます。私たちの活動の背景には、全国に広がる放置竹林という社会的な課題があります。適切な活用が求められる竹を通じて、自然との関わりを育み、海洋生物の多様性を守ることが目指されています。

未来へ向けた行動


昨年の活動結果には、アオリイカの産卵が確認され、京都大学白浜水族館において2,641匹の稚イカが孵化・放流されたことがあります。また、生態系への貢献も確認されており、海藻類や付着生物が竹に生息し、小型生物の生息数が増加するなどの成果が報告されています。

具体的には、竹に着生した海藻(シワヤハズやタマイタダキ)や甲殻類(ワレカラやフジツボ)など、沿岸生態系に非常にポジティブな影響をもたらしています。このような結果は、持続可能な海洋利用への重要な一歩となります。

教育活動の成果


また、地域の小学校の児童が産卵床の製作などに参加することで、環境問題への理解を深める貴重な経験を得ています。これにより、ローカルコミュニティとの結びつきも強化され、将来的に海と竹林をつなぐ新たな環境保全モデルの確立が期待されています。

持続可能な未来へ


今後も「パンダバンブープロジェクト」は、パンダとアオリイカ、そして地域社会のために持続的に取り組んでいきます。海藻の増加が小型生物の増加を促し、ひいては生物多様性の向上へとつながるこの活動は、竹を活用した生態系回復の可能性を模索する中で、さらなる進展が期待されます。地域住民や漁業関係者との連携を深め、SDGsの理念に基づいた持続可能な社会の実現を目指しましょう。

「パンダバンブープロジェクト」は、未来の環境を守るための大切な活動です。ぜひ皆さんも、この運動に興味を持って支援していただきたく思います。


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