和歌山高専と巻貝
2025-12-24 08:58:30

和歌山高専が明らかにしたベトナム巻貝の新たな食文化と未来への挑戦

和歌山高専が明らかにしたベトナム巻貝の新たな食文化と未来への挑戦



和歌山工業高等専門学校(以下、和歌山高専)での国際共同研究は注目を集めています。この研究により、ベトナム・ハイフォン市で50種以上の食用巻貝が消費されていることが明らかになりました。この新しい知見を、スティアマルガ・デフィン准教授を中心に行った研究チームが発表しました。

研究の背景と目的



食の多様性は、近年ますます注目されています。日本やインドネシアなどの海洋国家であっても、食用として広く認識されている巻貝は実際には限られた種類しかないのが現状です。和歌山高専の研究は、ベトナムにおける巻貝の多様性に着目し、その実態を明らかにすることを目的としていました。

この研究では、「ミュゼオミクス」と呼ばれる手法を用いて、東京大学総合研究博物館に収蔵された標本のDNA解析を行いました。この手法により、ベトナムでの巻貝の食用文化がいかに広がっているか、そしてその背後にはどのような情報が存在するかが探られました。

主要な研究成果



本研究の成果は、学術誌『Future Foods』の令和7年12月号に掲載され、世界中での食文化に新たな視点を提供しています。特に、50種以上の巻貝がベトナムの伝統的な料理にどのように関与しているのかを示す分析結果は、食材としての巻貝の新たな可能性を浮き彫りにしました。

しかし、これまでベトナムにおける巻貝の多様性に関するデータは不足しており、そのために資源管理や食の安全性の確保が難しいという問題がありました。どの巻貝がどこで獲られ、どのように流通しているかを把握するためには、科学的根拠に基づくトレーサビリティが必須です。これにより、流通名と実際の種に食い違いがある場合でも、信頼性のある情報を得ることが可能となります。

データ駆動型アクションの必要性



研究チームは、「検証可能な標本」と「利用できるDNA配列の参照データ」を整備することで、持続可能な食文化の発展を助ける基盤を築きました。この取り組みは、ネイチャーポジティブな未来を目指す上で非常に重要です。世界中の自然史博物館が保有する標本は、これからの環境保全活動において大きな役割を果たすことでしょう。

次世代研究者の育成と今後の展望



本研究には、和歌山高専の学生や卒業生も参加しており、次世代の研究者育成にも寄与しています。これによって、未来のリーダーたちが科学を通じて新たな発見を続けることが期待されています。

加えて、スティアマルガ准教授は、今後「食の貝」という展示イベントに協力します。このイベントでは、貝が食材としてどのように利用されているのかを標本と科学データから学べる内容が予定されています。展示は令和7年11月20日から令和8年3月31日まで、東京大学総合研究博物館で開催される予定です。

まとめ



和歌山高専の研究成果は、単に学術的な知見を提供するだけでなく、文化や環境への影響も考慮した持続可能な社会の構築に寄与することを目指しています。今後も、和歌山高専から発信される新たな知見や活動に注目が集まります。これらは、私たちの食文化や環境に良い影響を与える可能性を秘めているのです。


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