早苗饗蒸留所の開業と酒粕を利用した新たなスピリッツ誕生の背景

日本の酒文化を進化させる「早苗饗蒸留所」の取り組み

秋田県男鹿市に新たな文化の発信地が誕生しました。廃棄リスクが高い素材を活用して新たな価値を生み出す、「早苗饗（さなぶり）蒸留所」が営業を開始しました。この蒸留所は、酒造りの副産物である酒粕からアルコールを抽出し、より多くの人々にその魅力を伝えることを目指しています。

「早苗饗蒸留所」の誕生背景

「早苗饗蒸留所」の開業は、「SANABURI構想」に基づいています。この構想は、廃棄リスクの高い食材の新たな価値創造を目的としており、企業としての使命を果たすための重要なステップです。特に、酒粕という日本酒の製造で生じる副産物に対して、価値を与えようという試みは、地域の資源を最大限に活用する取り組みでもあります。

2022年4月に開設された食品加工場「SANABURI FACTORY」も、この構想の一環として位置づけられ、動物性不使用の代替マヨネーズ「発酵マヨ」などが販売されています。このように、廃棄リスクの高い食材を大切に扱う姿勢は、企業の理念として今後も発展していくことでしょう。

初の実験酒「SANABURI SPIRITS 山椒 prototype01」

開業を記念して、初の実験酒「SANABURI SPIRITS 山椒 prototype01」が数量限定で予約販売されます。このスピリッツは、和歌山県有田川町のかんじゃ山椒園の山椒を使用しており、爽やかな香りとともに、独特の青々しい香りが特長です。この山椒は、共同発起人である井上豪希氏のつながりから選ばれたもので、地域農業の持続可能性を考えた皆で育む結実とも言えます。

井上豪希氏は、この山椒園の品質に高く評価されており、彼自身も山椒栽培の重要性と価値について深く考えています。彼の言葉からは地域資源を最大限に活用し、持続可能な農業を模索する姿勢が伝わります。整理された地元の農業の力を、酒粕を通じて再活性化させるOEオペレーションの確立が期待されます。

酒粕に新たな命を吹き込む試み

株式会社SANABURIの代表取締役である齋藤翔太氏は、酒粕の価値を最大化する新しいスピリッツの創造に、自身の持っていた様々な経験をもとに取り組んでいます。彼は酒粕の魅力を伝え、その文化を現代に再興する一方で、様々な人々の協力を得て、多様な魅力を展開していく熱意があふれています。

「早苗饗蒸留所」は、クラフトサケの製造過程で生じる酒粕を無駄にせず、スピリッツやリキュールなどの幅広い商品展開を目指しています。この新しい取り組みを通じて、組織としても、地域に新しい魅力を提供し、経済的な貢献や観光文化の発展を図ります。国産原料を活用したアプローチは、日本国内のみならず、海外市場においても評価されることでしょう。

さらなる展望

今後、「早苗饗蒸留所」からは、実験酒第2弾、第3弾の商品も発表される予定で、ファンの期待が高まります。さらなる新商品の登場を通じて、地元の資源を大切にし、豊かな酒文化を広める手法を模索する姿勢は、様々な新しさを生み出していくことでしょう。また、地域の人々とのつながりや、持続可能なシステム構築を通じて、南秋田のビジネスエコシステムを強化する役割も担っていくことでしょう。地域の皆様と共に新たな価値創出に努め、「早苗饗蒸留所」が作り出す次なる創造に期待が寄せられています。