セブン-イレブンが進める自動運転トラック輸送の実証実験

近年、シフトする物流の姿勢が注目されています。その中でも、自動運転技術の発展が業界に与える影響は計り知れません。株式会社セブン-イレブン・ジャパン、三井物産流通グループ株式会社、そして株式会社T2の3社は、共同で自動運転トラックを使った長距離輸送の実証実験を開始しました。

この実証実験は、関東から関西を結ぶ高速道路の一部区間で行われ、2025年から2026年にかけて3回の輸送が予定されています。自動運転トラックを利用することで、物流の効率化と環境への配慮が同時に実現できるかが目指されています。

実証の目的と背景

長引くドライバー不足問題が深刻化している今、業界全体での人材確保が難しくなっています。この状況に向き合うため、セブン-イレブンでは自動運転トラックを導入し、持続可能な物流体制の構築を目指しています。T2の自動運転トラックは、将来的にはレベル4の自動運転サービスを視野に入れています。まずは、レベル2の自動運転トラックを用いて、「セブンプレミアム」商品の輸送を検証することからスタートしました。

実施内容とスケジュール

今回の実証実験では、MRG埼玉第二センターから関西センターにかけて、日常的に販売されている「セブンプレミアム」商品を積載した自動運転トラックが高速道路を駆け抜けます。その中で、以下の観点から実証が行われます。

1. 自動運転トラックの長距離走行の実現性
2. 自動運転導入時の配送所要時間の向上
3. 自動運転を組み込んだ運行オペレーションの有効性

環境への配慮と新しい燃料の利用

特に注目すべきは、使用済み食用油を基にしたバイオ燃料の導入です。このバイオ燃料は、セブン-イレブンが提唱する「サーキュラーエコノミー」に基づいた取り組みの一環で、環境負荷の軽減にも寄与するとされています。最終的には、自動運転トラックの燃料としてこのバイオ燃料が利用され、持続可能な社会の実現が期待されています。

未来への道

この実証によって、セブン-イレブンは2027年度までに、自動運転トラックによる幹線輸送サービスの実現を目指しており、ドライバー不足という課題をクリアする新しい物流の形を模索しています。これまでの常識を覆す「自動運転トラック」の未来、そして環境に優しい物流の姿は、業界全体に新たな風を吹き込むことでしょう。3社によるこの挑戦が、どのような成果を生むのか、今後の展開から目が離せません。