和歌山県による盛土安全チェックの迅速な取り組み

和歌山県の仁坂知事は、7月19日に発表したメッセージの中で、過去の教訓を生かした安全対策の重要性を強調しました。自身が育った頃の祖母から教わった「人のふり見て我がふり直せ」という言葉を引用し、他の地域での事例をしっかりと学び、和歌山における計画的な安全対策を講じる必要性を訴えています。

特に、昨年静岡県で発生した盛土崩壊は、県内でも同様の事態が起こらないよう最新の注意を払って対策を講じる契機となりました。この悲劇は、無茶な残土放置やずさんな管理が引き起こしたもので、和歌山県ではそのような問題を起こさせてはいけないという強い思いが知事の心に刻まれました。

知事は「遅いのは嫌いだ」という自身の言葉を述べ、迅速な行動の重要性を強調します。盛土の安全チェックを実施するため、県内の専門職員による連携チームを結成し、既存の盛土箇所を全て調査することにしました。この取り組みは特に、国のイニシアチブに則り、土砂災害リスクの高い地域を優先的に見直すことを目的としています。

まず、危険区域Aとその他の区域Bに分け、重点的に調査を行い、住民からの情報収集も行います。過去の規則記録を基に、盛土が行われた場所を特定し、さらに国土地理院の地図も活用して二重の確認を行います。これにより、盛土の変状やリスク要因を明確にし、現地調査を経て優先度をつけた安全対策を実施することができます。

現時点で調査の結果が出ており、4つのリスクが存在する場所が特定されました。これらの場所に関しては詳細な調査を実施し、盛土撤去や補強工事を行っている最中です。その進捗に関しても、知事は職員たちの努力に感謝の意を表しています。このようにして、過去の事故の教訓を無駄にしないよう、着実に前進しています。

一方、国交省から全国に向けて盛土の安全確認が指示されたとの報道に接した知事は、和歌山県の迅速な対応を自ら誇りに感じると同時に、他地域が遅れを取っていることに思わず不満が漏れ出たとも言います。県内の取り組みに対する思い入れを示すと共に、他地域にも同様の危機意識を持ってほしいという願いが込められているのです。

最後に、知事が語ったのは、かつての紀伊半島大水害についての教訓です。この事例は、長年にわたり和歌山県が直面してきたリスクの大きなお話として、再びその教訓を生かし、命を守るための体制作りに励む必要があると訴えました。和歌山県は今後も持続可能な安全対策に努め、地域の安全を守るための活動を続けることが期待されます。