和歌山県知事からの最後のメッセージに込められた思い

和歌山県知事の退任前のメッセージ



令和4年12月2日、和歌山県知事の退任を控えたメッセージが公開されました。その内容は、知事としての16年の歴史や県の道路ネットワーク整備にかける思いを強く感じさせるものでした。

知事の退任に伴い、公舎を引き払う忙しい日々の中、彼は特に思い出に残るものとして、これまでの努力と成果を象徴する和歌山県道路網図をはがしました。この図は、知事就任時に受け取った平成18年度版のものであり、16年間の成長と変化を深く反映しています。

当初、高速道路に関しては京奈和の橋本ICと高野口ICの二つしか完成していなかったことを知事は振り返ります。道路整備が進まなければ、県民は経済発展において様々な制約を受け、企業誘致を行う際にも悪影響があるということを自身の体験を通じて痛感したのです。「そんな道路事情の悪い所へはいけませんよ」という言葉も、彼の耳に残るものでした。

知事は、このような状況を打破するために、自らが掲げた目標に対してひたむきに取り組み続けました。彼は中国の故事「臥薪嘗胆」を引き合いに出し、失った時間や悪い状況をいつも心に留めておくことで、新たなやる気を見出していたと言います。このような姿勢が、彼の10年間の道路整備に対する奮闘を支えてきたのです。

しかし、途中で民主党に政権が移るなど、様々な逆風もありました。特に「コンクリートから人へ」という主張が強まった頃には、和歌山県の整備の遅れが世間から取り残されるのではないかという恐れとともに、厳しい批判にさらされました。それでも彼は、信念を曲げることなく、道路網の整備を推進し続けました。

政権交代後には、和歌山県の道路整備は目覚ましい進展を見せ、全国とほぼ同等の水準にまで到達しました。特に海南-印南間の四車線化が進み、県内主要都市間の移動がスムーズになってきました。これにより、多くの県民が交通の利便性を享受できるようになったのです。

「道路ができれば県が発展し県民が豊かになる」のは必ずしも当てはまるわけではありませんが、整備が進むことで競争力が高まり、県の魅力が向上することは確かです。 知事は、この16年間の努力の成果を「あと一歩」という段階まで昇華させたと感じており、彼にとっての「臥薪嘗胆」はやっと終わりを迎えようとしています。

最後に、公舎の壁に貼ってあった道路網図を外す際、昔の色合いが少しあせたその姿を見つめながら、「ようやくここまで来た」と心の中で思ったことでしょう。知事としての最後のメッセージには、これからの和歌山県に向けた希望と期待が込められていました。彼の努力の結晶でもある道路網整備の進展が、多くの県民の未来に豊かさをもたらすことを願っています。

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