和歌山根来の文化祭典「日本和歌山根来」
和歌山根来での文化の祭典「日本和歌山根来」が旧和歌山県議会議事堂・一条閣にて開催されます。この祭典は、和歌山市内から約19キロに位置する紀ノ川沿いの根来地域に焦点を当てています。歴史をひも解くと、この地がかつて文化の発信地として煌めいていたことが伺えます。特に、16世紀の「メルカトル世界図」にも「Negra(根来)」と記されていることからも、古くから国際的な重要性を持っていたことが理解できます。
根来の文化が育まれた背景には、「根来衆」と呼ばれる鉄砲で武装した僧兵たちの存在が影響していたと考えられています。1542年頃、ポルトガル人によって日本に持ち込まれた銃は、本州で最初に根来で制作されたとも言われ、歴史の中で重要な役割を果たしました。また、「根来塗り」という漆器技術も、この地にちなんでおり、約900年の歴史を持つ日本の伝統的な技法です。この技術は1585年の豊臣秀吉による攻撃を経て、他地域に伝わり、根来の文化は再興されましたが、戦国時代の激闘によって多くの伝統が失われてしまいました。
「日本和歌山根来」は、このような歴史背景を踏まえ、新たな文化をともに考え、語る場として設計された座談会を開催します。このイベントでは、和歌山出身の作家や県外の文化人が集まり、共に学ぶ機会を提供します。参加者の一人、ひらのまりは「根来塗り」からインスパイアを受け、「根来継ぎ」の技法を確立しており、漆の文化史に関する座談会を実施します。
また、和歌山の妖怪研究で知られる漫画家・マエオカテツヤとオカルトコレクターの田中俊行による妖怪や怪談の会も行われます。さらに、和歌浦観光協会の副会長である中山勝誠と、藍染職人の永原レキが登壇し、地域の文化や祭りの復興について議論します。
この座談会が行われる「一乗閣」は2017年に重要文化財に指定されており、歴史のある場所での開催は、参加者にとって意味深いものになるでしょう。私たちと共に、根来の歴史と文化を深く学び、体験するこの祭典は、古き良き文化が現代に蘇る未来を感じさせてくれます。
開催情報
- - 日程: 令和7年9月27日(土)
- - 時間: 開場12:00, 開演13:00, 終演16:00
- - シンポジウム料金: お席代3,000円(高校・大学生は半額、中学生以下は無料)
- - 会場: 一乗閣(旧和歌山県議会議事堂)
- - 住所: 和歌山県岩出市根来2347-22
- - 電話: 0736-61-1160
出席者や詳細情報については、公式ウェブサイトでチェックしてください。和歌山根来からの文化の新たな息吹を、ぜひ体感してください。