国内各地に広がるユニバーサルビーチプロジェクトの新展開

ユニバーサルビーチの輪を広げる新たな試み

2017年に須磨海岸で始まった『NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト』は、誰もが楽しめるビーチを作ることを目指し、着実に活動を広げてきました。この取り組みは、障がいのある方々に海の楽しさを提供し、共に素晴らしい体験を共有するためのものです。初めての年は、須磨の地元だけでの活動でしたが、その後、他の地域からも参加の声が寄せられるようになりました。

全国への広がり

きょうだいプロジェクトという新たな取り組みが始まり、全国で18カ所以上のユニバーサルビーチ化が進められています。このプロジェクトは、障がいがあっても享受できるビーチの実現を目指す仲間たちの連携を指します。2023年時点で9カ所だったプロジェクトは、2025年春にはその規模が2倍以上にまで広がる見込みです。

ユニバーサルビーチのための必須要素

ユニバーサルビーチの実現に向けて必要な要素は以下の3つです。まずは、バリアフリーな導線の整備、具体的にはビーチマットの設置などが挙げられます。次に、海水浴を楽しむための道具、例えば水陸両用の車いすなどが求められます。そして、運営に携わる人々の知識とノウハウも必要です。これらのサポートを提供し、地域ごとの持続可能な運営を実現することがプロジェクトの重要な目的です。

未来へのビジョン

私たちの最終目標は、全国47都道府県すべてにユニバーサルビーチが存在し、誰もが安心して楽しむことのできる社会の実現です。そのために、プロジェクトの拡大を加速させ、ネットワークを強化することを目指しています。もっと多くの人々に「海の楽しさ」を伝えるべく、仲間と共に一歩ずつ進んでいきます。

プロジェクト発起人の思い

プロジェクトのリーダーである木戸俊介は、集まる人々の力が何よりも重要だと語ります。驚くべきことに、彼は「須磨から全国へ」とのビジョンを掲げて成長させてきたこのプロジェクトを運営しているのです。連携し、さらなる仲間を増やすことが課題であり、全国に広がりを見せているのです。

各地域の取り組み

各地のプロジェクトはそれぞれの地域で特性を活かした取り組みを進めています。例えば、白浜町の『しらひらバリアフリーアート実行委員会』では、全ての人が参加できるアートイベントを企画し、地域内の連帯感と共にアートを通じた支援を目指しています。尾道市では「海属」と呼ばれる仲間たちが、漁業とマリンスポーツの枠を超え、共に海を楽しみ、守っています。

南島原市では「望まれる環境作り」を重視し、地域の子どもたちに初めての海体験を提供することが目標です。また、小豆島でも昨年始まった活動が成功を収め、多くの子供たちが海を楽しみ、大きな笑顔を見せました。

これらの地域の取り組みは、それぞれの特色を活かし、ユニバーサルビーチの理念を体現しています。どのプロジェクトも、共に楽しむこと、障害の有無を問わず海を楽しむことを追求しており、様々な形でなされているのです。私たちは、これからも活動を継続し、全国へと広げていきます。彼らの情熱と献身的な努力が、さらなる変化をもたらすことを期待しています。