熊野古道の文化再生プロジェクト
和歌山県の那智勝浦町にある「寶光寺(ほうこうじ)」を中心に、無住職寺院を再生させるプロジェクト「那智ファンド」が始まります。このプロジェクトは、株式会社Planet Labsが行うもので、地域の歴史的建造物を保存し、観光資源として活用することを目的としています。
プロジェクトの目的と背景
「那智ファンド」は、無住職寺院の整備と利活用を通じて、地域住民と観光客が共に訪れる場を生み出すことを狙いとしています。熊野古道は千年以上の歴史を持ち、世界遺産としてその価値が認められていますが、近年では多くの寺院が住職を失い、維持管理が困難な状況にあります。全国的に見ても、7万7,000を超える寺院のうち、約2万軒は住職がいない「無住職寺院」とされています。この状況を打開するために、Planet Labsは新たな資金調達の形を提案しています。
小口投資による挑戦
Planet Labsは、国内外の投資家からの小口投資を募り、歴史的建造物の保全を図るビジネスモデルを採用しています。地域に根ざした文化財を地域資源として活用することで、地域観光を活性化させる試みです。これまでにも、築170年の寺院や古民家を対象にしたプロジェクトで、各約4,000万円の資金調達を達成しており、今回の「那智ファンド」もその一環です。
寳光寺の魅力とその歴史
「寶光寺」は江戸時代に創建され、地域の信仰と暮らしを支えてきた歴史ある寺院です。国際的な観光地としても注目される熊野古道の玄関口に位置し、その静かな威厳は今日に至るまで受け継がれてきました。特に、お寺での宿泊は近年海外からの旅行者に人気を博しており、大泰寺の稼働率は70%に達しています。この状況を背景に、寶光寺の再生プランが地域の宿泊需要に応えることが期待されています。
海外からの高い需要
特に注目すべきは、宿泊者の約80%が海外からの旅行者だという報告です。多様な国々から訪れる観光客が、仏教の文化や体験に興味を示していることが、プロジェクト推進の強い後押しとされています。宿泊者たちは、仏像見学や座禅体験を通じて、日本の文化に深く触れ、心に残る時間を過ごしたとの声も寄せられています。
地域との連携と未来の展望
PlanetDAOは、地域住民と密接に連携しながら運営を進めていきます。利害関係者の多様な意見を取り入れ、地域の文化や価値観を尊重した運営を目指しています。募集される資金は、宝光寺の再生・維持・運営に利用され、出資者にも事業の意思決定に参加する機会が得られる仕組みです。
ご支援のお願い
今後、地域の文化的価値を維持しながら、持続可能な観光資源への再生が求められています。ぜひ、多くの方のご支援をお願い申し上げます。本プロジェクトが、地域の未来を明るくし、多くの人に愛される場所となることを信じています。プロジェクトの詳細については、Planet DAOの公式サイトを是非ご覧ください。改めて、地域の皆様と共にこのプロジェクトを成功させていきましょう。