ファミリーマートの新たな挑戦
株式会社ファミリーマートが、農場で働く知的障がいのある社員向けに、専門的な支援プログラム「夢育て1.0」を導入しました。これは、日本初の取り組みであり、障がい者の潜在能力を引き出し、自立を促進することを目指しています。
「夢育て1.0」の目的と内容
「夢育て1.0」は、障がい者雇用における新たな試みです。このプログラムは、社員ができる作業の幅を広げ、チームワークや全体を見渡す能力を養うことを目指しています。具体的には、研修を通じて社員一人ひとりの成長を支援し、豊かなキャリア形成を促します。
プログラムの構成
この支援プログラムは3つの主な要素から構成されています。
1.
フォイヤーシュタインメソッド:認知能力の強化を目的とした教育法で、社員の認知発達を図ります。
2.
ブレイン・ジム:体の使い方を学び直すプログラムで、運動能力や集中力を高めます。
3.
夢語り:社員一人ひとりが夢や希望について語ることで、主体性を育成します。
このプログラムは、2025年10月から1年間をかけて実施され、毎週水曜日に研修が行われます。参加者は農場で働く知的障がい・発達障がいのある社員10名です。
専門家による指導
株式会社夢育ての有資格者が研修を担当し、ファミリーマートの社員と連携して研修を進行します。また、現在行っている有機野菜の栽培を通じて、実践的なスキルを身につけるOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)も同時に行われていきます。
アセスメントと成果の評価
プログラム開始前には認知アセスメントを行い、研修終了後には再度アセスメントを実施して、参加者の認知機能がどの程度向上したかを測定します。これにより、具体的な成果を視覚化し、さらなる改善へもつなげられるのです。
期待される影響
ファミリーマートと夢育ての協業によるこのプログラムは、障がい者が持つ能力を最大限に引き出すものと期待されています。株式会社夢育ての代表取締役前川哲弥氏は、当プログラムを通じて「成長の歓び」を感じられる「幸せな職場」を提供することの重要性を強調しています。この活動は、今後の障がい者就労における新しい基準、いわゆる「ニューノーマル」を提供するものでしょう。
障がい者雇用の未来
兵庫県立大学の客員教授である豊田正博氏も、プログラムに寄せて期待を寄せています。彼は、認知発達の取り組みを通じて、農作業に必要なスキルを身につけられる点を強調し、その効果を期待しています。彼によると、この支援プログラムは障がい者の職業能力を高めるための非常に効果的な手段といえるでしょう。
ファミリーマートは、今後もすべての社員が地域社会で活躍できるよう、環境づくりに努めていくとしています。「夢育て1.0」を通じて、障がい者を含むすべての社員が明るい未来を築けるよう支援を続けていきます。